検証:ゆるキャンはどこまでスケッチブックか?
なんか久しぶりすぎてブログの書き方すっかり忘れてます。
えー、さて。本題です。
このアニメが放送されている最中、たしか3話めか4話めのあたりで、ふと思いました。
「このアニメ、雰囲気がスケッチブックに似てるなあ」と。
まあ当然、私のTLがそっち方面に偏っているのもありまして。一般的な認識とは言い難いかもしれませんが。
ともあれ、この『ゆるキャン△』を見ていて『スケッチブック ~full color's~』を思い出した人は、私1人ではなかったようです。
というわけで。
ここはひとつ「どこがどう似ているのか」を検証してみようかと思います。特にネタバレとかはしない予定ですので、両方ご存知ない方もごゆるりとお読みください。
・テンポがゆっくり。
『ゆるキャン△』序盤の大きな見せ場が、しまりんがキャンプ場を探索する場面でした。
基本ずーっと1人で行動しているわけで。特に波乱もなく、派手なギャグも(いくつかの小ネタ以外には)なく。しまりんの独白とナレーション、たまに松ぼっくりがしゃべるくらいの、淡々としたシーンが続きます。
『スケッチブック』でも、梶原さんが1人で黙々と行動する場面が多くありました。
何かしらの会話だのアクションだのがないと、普通は間が持たないと思います。こういう淡々とした場面に、ゆったりと時間を費やしてしまうアニメ、他にはなかなか類を見ません。
・背景が美しい。
で、それに関連しまして。
映像の美しさは、両者に共通する大きな魅力のひとつです。
手間暇かけて、時にキャラクター描写を犠牲にしてまで描く大自然の背景は一見の価値ありです。淡々とした場面でも間延びせずに楽しめるのは、この美しい背景の力も大きいでしょう。
・音楽も美しい。
なんか似たような内容が続いてしまいますが。
『スケッチブック』では村松健さんのピアノ。『ゆるキャン』ではケルト風。ジャンルは全く異なりますが、どちらも音楽単体で堪能できる、心地よい音楽です。
ケルティックって山の風景に合いますね。サントラ欲しいなあ……。
・シュールなギャグ。
これはフォロワーさんのご指摘で「おおなるほど」と思った点です。
『ゆるキャン』には『へやキャン』というミニコーナーがありまして。本筋とはまったく関係ない、ちょっとした小ネタを披露してくれます。
で、これが『スケッチブック』の涼風コントによく似てる、とのご指摘がありまして。
確かに、あの唐突さとネタのシュールさには共通するものがあります。特に「そばうどん」の意味不明さは、涼風コントを思い出させるシュール具合でした。
・ソロ活動が多い。
と、これが今回最大のポイント、かつ両方のアニメにおける最大の特徴です。
普通の学園もの、特に部活ものアニメともなれば。
まず最初に出会いがあって、入部の際のちょっとしたイベントがあって。
その後は3人なり4人なり5人なり、全員が一緒に行動することでお話が展開してゆく――というのが一般的だと思います。
一方『スケッチブック』では。
登場人物は美術部員ではありますが、基本それぞれが好き勝手に行動してます。特に主人公の梶原さんは単独行動が多く、1人で探索したりお絵かきしたり、ギャグを飛ばしたりします。
『ゆるキャン』においては。
そもそもしまりんと恵那の2人は、野クルに入部すらしていません。
しまりんは1人キャンプがメイン。なでしこはしまりんにつきまとった結果、フラれて1人での行動も多くなります。
野クルの先輩2人も、それぞれ別のバイトしてたり、千明1人だけでキャンプの下見に行ったり、常に一緒ではありません。
さらには、あれだけ人懐っこいなでしこも、最後には1人キャンプを決行してしまうわけで。
5人が一緒に登場したのって、中庭+図書室でのドタバタと、後は最後のクリスマスキャンプだけではないでしょうか。
最初の項目にも書いたように、キャラが単独で行動すると、展開がまったりと遅くなります。
そのまったり展開でも充分楽しめるアニメ、というわけで。
映像や音楽の美しさに加えて、キャラが魅力的なので、見る側も退屈せずにまったりできるのでしょう。つまりは、すべてが高水準なわけです。
他にも・顧問が酒飲み、・非人間がしゃべる、等の細々とした共通点があります。
これだけ共通項が多いのですから、もう
『ゆるキャン』は『スケッチブック』である
と言っても過言ではありません。
……いやまあ多少過言ではありますが、それでも『スケッチブック』2期に飢えていた私にとって、『ゆるキャン』は心の隙間を埋めてくれるに充分すぎるアニメでした。
要するに、ここで声を大にして言いたいのは
『ゆるキャン△』を気に入ってくれたそこのあなた、
ぜひ『スケッチブック ~full color's~』も見てみてください!
きっと気に入りますよ!
ということです。
よく言われることですが、『スケッチブック』は時代が早すぎたなぁと……。今制作されていたら、もっと人気が出たのではないでしょうか。
まあ個人的には人気なんてどうでもいいんですが、『ゆるキャン』続編の情報に触れてしまうと、やはりうらやましいな~と思ってしまいます。