歌鳥のブログ『Title-Back』

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【映画】ボーン・コレクター

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 この間CSで見ました。
 前にも一度見たことがあるはずで、でもぜんぜん記憶に残っていなくて、なんでだろう、確かに見たはずなんだけどなー、と思って見直してみました。見直してみて、覚えていない理由がわかりました。
 つまらなかったからでした。

 半身不随の科学捜査官ライムと、しがない警官のアメリア。2人は時に反発しつつ、ライムを目の敵にする同僚に足を引っぱられながらも、連続殺人の証拠を集め、犯人を追いつめていきます。

 形としては、ちょっと変則的な安楽椅子探偵ってところでしょうか。
 すべてがダメダメだったわけではなく、たとえばデンゼル・ワシントンアンジェリーナ・ジョリーの演技はさすがの迫力でした。物語も特に破綻したところはなくて、それなりにドキドキしたところもありました。
 が、やっぱり感想は「つまらない」でした。
 どのへんがつまらなかったかといいますと……と、以下ネタバレ含みます。








 どのへんがつまらなかったかといいますと、伏線がすべて単発だったところ。
 たとえば、タイトルにもなっている“ボーン・コレクター”という本。
 この本が犯罪の元ネタである、というのは良しとしまして。で、なんでこの本?
 ライムは何冊も本書いてる人なわけで、そのライムが最終ターゲットなら、“ボーン・コレクター”という本もライムとなんらかの関係があるのかと思いました。が、どうやらそうじゃないようで。単純に、あまり世間に知られていない本だから、この本が元ネタになったようです。
 同様に、犯人が「なぜ地下にこだわるのか」「なぜ古い年代にこだわるのか」とか、そういう説明がなんにもなくって。犯人は単純に「変なことにこだわる変な人」になっちゃってます。
 ライムとのつながりって結局、最後の数字だけです。なんかこれがすげー変。
 あれだけライムにこだわってる犯人なんですから、もうちょっとライムとのつながりを示すはずでしょう。ただでたらめな証拠並べて「どーだライム、この謎を解いてみろ。わかんねーだろーやーいやーいざまーみろ」って感じで、それってあんまり狡猾とか冷酷ってイメージじゃないです。
 ああ、そうか。↑のせいで犯人がちっちゃく見えるんだ。だからつまんないんだ。

 もうちょっとこう、いろんな方向へのつながりが欲しかったです。
 たとえて言えば……牡牛座って「ほら、この星とこの星が2本の角で、この星がひづめ。ここが頭で」とかって説明されたら「おーすげー」ってなりますよね。
 一方で、星2つとか3つで構成された星座を示されても、
「あ、これ子馬なんだ。馬の頭だけ……ふーん」と、その程度の感想しか持てません(神話のエピソードは面白いけど、それは星座の面白さとは違いますし)。
 単発の証拠を示されて「ほら、こことここがつながるんだよ。この証拠はこういう意味があるんだよ」と言われてもですね。そこから広がるなにかがないと、「ふーん」で終わっちゃうんですよ。

 ……昔見た古いバットマンの映画の方が面白かったな。リドラーの謎を解いていって、その答えの頭文字をつなげていくと最後のターゲットが明らかに……みたいなやつ。