看板を背負って：ｓｉｄｅ－Ｂ 足元で手榴弾が破裂した。イェンは体を投げ出し、爆風に身を任せた。泥の海のおかげで大した衝撃もなく、ヘルメットのおかげで泥を飲まずに済んだ。 『大丈夫！？』 フロウの気遣う声が、耳元のスピーカーから響く。イェンは障…

消しゴムの使い方 今でもはっきり覚えてる。彼女が僕に、この消しゴムをくれた時のこと。 「じゃーん！ いいもの作りましたよ～！」 科学部の部室を尋ねた僕に、彼女は小さな装置を手渡した。見た目と大きさは普通の消しゴムと同じ。ただしケースの代わりに…

音楽隊 脚はいまにもちぎれそうなほどに痛む。もはや立っているのも苦痛なほどだが、ロバは歩きつづけた。この旅を済ませないことには、休むことすらままならない。 夜道は曲がりくねっていた。大きな岩を迂回したところで、犬に出会った。 「今晩は」犬が言…

水族館ごっこ 悟志が天国に旅立ったのは、ちょうど二年前のこと。あの日以来、わたしはこの町を訪れたことはなかった。電車で通りかかることはあったけど、それだけ。 懐かしい駅で電車を降りたのに、これといった理由はなかった。切符は終点まで買ってあっ…

http://sow.blog.jp/archives/1001222034.htmlにて紹介されてました。今朝から何度も繰り返して見てます。 超かわいーです。しんみりしたラストもいいですね。 元記事には海外の方の反応もあります。「シリーズ化希望」という声もありますが、これはこれで完…

朝っぱらからブログ更新です。 エイプリルフールはおとといの話で、もう皆さんすっかり飽きていらっしゃるころだと思いますが。 ひとつ、歌鳥にとっては特別に印象深かった嘘記事があったので、メモついでにここに残しておきます。 人から「悲しみ」が失われ…