歌鳥のブログ『Title-Back』

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Go West とヴィレッジ・ピープルと日本ハムファイターズとペットショップボーイズと……

 ツイッターでこの曲の話題が出たので、つい書いてみました。古い洋楽好きな人には今さらな話題ですが、いろいろ組み合わせると面白くなるのでひとつ。


 ヴィレッジ・ピープル。ゲイ文化の先駆けとなったグループです。
 というか、まあ、1970年代後半にゲイ文化の人気を当て込んで作られたグループです。警察官とか消防士とか、ゲイの人に人気の職業のコスプレした男性が歌って踊るわけです。中の人は必ずしもゲイじゃなかったそうで、まあ昔も今もアイドルってのはそんなもんなんですね。
 ヴィレッジ・ピープルの特に面白い点は、意味深な歌詞です。
 たとえば↑の『Go West』、歌詞だけ見ると「西へ行こうよ、西は素晴らしいところだよ」という、なんかニンニキニキニキな内容なのですが。


 ↑のリンク先にもありますように、“西”とはすなわちサンフランシスコ、ゲイ文化の中心地。そこで“開放的な暮らしを君と一緒に”というのは、まあつまりそういうことなわけです。
 こんな具合に、一見なんてことない歌詞に裏の意味をこめるのが、ヴィレッジ・ピープルのお約束になっています。
 日本では一番有名だと思われる、西城秀樹のカバーでもおなじみの『YMCA』も例外ではありませんで。詳細は各自おググりいただくとしまして、はたして秀樹はそのこと知ってたんでしょうかね。まあ、それはともかく。

 その『YMCA』ですが。ニューヨーク・ヤンキースがホームで試合を行う時、グラウンド整備のおじさんがこの曲に合わせて踊ることでも有名です。


 この「わーいえむしーえー♪」の振りつけ、日本から逆輸入されたそうで。秀樹の振りを本家ヴィレッジ・ピープルが真似したんだそうですが、まあそれはともかく。
 このヤンキースの演出を、日本ハムファイターズが真似してます。別にパクったわけではなく、ちゃんと業務提携して似たような演出をさせてもらったようです。
 で……ご存じの方はご存じでしょうが、日本ハムファイターズというチーム、2ちゃんねる界隈では“ホモの温床”というような認識になってまして。
 どうしてそうなったか、については……まあ詳しいことは各自おググりください。先発苦しいからそろそろ上がってきてほしいんですけど、どうなんでしょうね。
 この『YMCA』とファイターズの関係、もちろん偶然なんでしょうけど……なんといいますか、ちょっと運命的なものを感じないこともないです。

 で、話を『Go West』に戻しまして。
 ↑↑の翻訳サイトさんにもあるように、この曲、ペットショップボーイズのカバーでも有名です。


 “西へ行こう”というフレーズを、旧ソビエト連邦の状況とうまく組み合わせて、まったく別の意味を持たせてしまいました。
 意味深な歌を、さらに意味深にしちゃったわけです。これはもう見事と言うほかはありません。歴史に残る名曲だと思います。

 が……ここでもうひとつ、さらに意味深な事実が。


 ペットショップボーイズのヴォーカル、ニール・テナントはゲイだそうです。
 ヴィレッジ・ピープルの曲をカバーしたのは、もしかしてそういう意味もあったのかな……と勝手に想像してたら、ウィキペディアにもそんなようなことが書かれてました。同じこと考える人はいるもんですね。
 で、↑の『It's A Sin』という曲です。
 この曲も、もしかしてそういう意図で作られたのかな……と、これは本当に、私が勝手に想像してます。「やることなすこと全部罪」って、悲しい話ですけど、ゲイの人ってそういう心境になっちゃうのかもしれませんね。「お父さん(もしくは神様?)ごめんなさい」とか……。
 悲しい話です。うん。

 とまあ、ひとつの曲からいろいろ発想が広がるもんです。
 日本ではまだまだ同性愛の認知が進んでいませんが、どうせならヴィレッジ・ピープルくらい能天気にやっちゃえばいいと思います。「これは罪」とかって抱えちゃう必要はないわけです。いいじゃないか、野球選手がゲイだって。