カーテン
カーテン
玄関を開けると、妻が出迎えた。
「おかえりなさい。晩ご飯できてるわよ。あら、すごい汗ね。泥だらけだし、先にお風呂入ったほうがいいみたい」
そんな妻の言葉を聞いていると、猛烈な怒りがこみあげてきた。俺は震える手でスコップを握った。
「あら、どうしたの? そのスコップ」
不思議そうに尋ねる妻の頭に、スコップを振り下ろした。妻は悲鳴もあげずに倒れた。手足がびくびくと痙攣していたが、頭に何度もスコップを叩きつけると、そのうち動かなくなった。
すっかり頭に血が上った俺は、靴のまま家に上がった。シーツか毛布を探したが見つからなかったので、居間のカーテンを外した。妻の死体をくるんで、車まで運んだ。深夜のこの時間、誰かに見られる心配はない。
適当に車を走らせ、適当な林に目をつけた。車を止めて適当な場所を探すと、スコップで穴を掘った。もっと深い穴にするつもりだったが、50センチほどで腕が限界になった。
車から妻の死体を運び出して、カーテンごと埋めた。適当に地面を足で踏みならしてから、車に乗って帰宅した。
「おかえりなさい」
玄関を開けると、妻が出迎えた。
「晩ご飯できてるわよ。あら、すごい汗ね。泥だらけだし、先にお風呂入ったほうがいいみたい」
俺は猛烈な怒りを覚えた。こいつ、何度死ねば気が済むんだ。
――もうすぐ夜が明ける。
本日2本め。今朝思いついたネタで、勢いで書いてみました。たぶん30分くらいで。ろくに吟味とか推敲とかしてないのですが、まあ小ネタですので。