【アニメ】フリップフラッパーズ
今年最後の更新です。
長いです。しかも前後編に分かれてます。
ごく普通の、ちょっと真面目で気弱な中学生ココナの元に、パピカと名乗る少女と出会いました。「ココナをずっと探してた」と言うパピカは、ココナを強引に冒険へと連れ出します。2人は“ピュアイリュージョン”と呼ばれる不思議世界で、「望みを叶える」と言われる“かけら”を探すことになります。
制作スタッフが『ローリング・ガールズ』と共通していることもあって、ロリガ界隈では放送前から話題になっていました。で、私もそんなこんなで見始めたのですが。
第一話、前半の感想は「ココナかわいい♪」でした。なにしろセーラー服でメガネでタイツですので。
が、後半に入ると「は? は? は?」の連続でした。
何しろ、誰もなんにも説明してくれないのです。
登場人物全てが“説明”というものをする気まるでなし。しかもその状態が、序盤だけでなく、終盤の9話あたりまでずーっと続くのです。
パピカは目的もよくわからないまま「冒険楽しい! ココナ大好き!」だし、リーダー的存在のソルトさんもただ「探せ」と命令するだけ。ライバルキャラも「やめろ」と言うだけで、説明はしてくれません。
私の記憶が確かなら、「ピュアイリュージョンとは何か」という疑問に対する明確な回答は、全編を通じてありませんでした。断片的に提供されている情報をかき集めて、こちらで推測するしかありません。
これが、たまらないほどの魅力でした。
個人的な話ですが、私は“説明”が嫌いでして。特に第1話で、登場人物が視聴者に対して説明を始めると、その時点で見るのやめちゃいます。
(“別の登場人物に対して”ではなく“視聴者に対して”です。このニュアンスの違いが伝わるでしょうか。細かく話し出すと長くなるので略)
そんなわけで、説明ほぼ皆無のこのお話は、どうしようもなく好みでした。
もちろん、そんな些細な魅力だけではありませんで。
やはりキャラは大きな魅力でした。ココナもパピカも、ライバル側のキャラもすべてが魅力的で。特にヤヤカは後半ヤバかったですね。個人的にはユクスキュルも相当でした。イケメンだし。
これがユクスキュルです。イケメンです。
戦闘シーンも魅力でした。決してバトルがメインではないはずなのに、驚くほど緻密で迫力のある場面の連続。「初代プリキュア並」、と言えば伝わるでしょうか。
それと、音楽。
エンディングの映像もいいですね。下半分のココナの表情がもう。
私クラムボンが大好きでして。
音楽でミトさんが携わっているのに気づいた時には、文字通り小躍りしました。
ミトさん案外オタクなんですね。『わかばガール』で知って相当びっくりしました。
とまあ、いろいろ細かい魅力もたくさんありますが。
このアニメ最大の魅力は“物語”でした。
訪れるたびにまったく異なるピュアイリュージョンの世界。それに伴って、物語もSF・ホラー・ファンタジーと目まぐるしく変化します。
そんな中、ちょっとずつ(説明なしに)明かされていく、ピュアイリュージョンの謎。
設定は相当ぶっ飛んでます。が。
……以後、ちょっとだけ内容に触れます。ネタバレ注意。
ツイッターで他の方が指摘されていました。いわく「設定はぶっ飛んでるけど、物語自体は王道だ」と。
言われてみるとそのとおりで。ライバルが味方になったり、ラスボスが身内だったり、展開はそのものはまさに王道です。気弱だった主人公が前向きに成長するとか、もう基本中の基本ですね。
やはり王道は強いんだな、と思い知りました。これが最大の魅力かもしれません。
(ライバルについて補足:「ライバルキャラが寝返って味方になる」展開、ものによっては激しくおかしなことになるのですが、このアニメではそんなことはありませんで。誰もが納得のいく、素晴らしい寝返りかたです。「あんたさんざん酷いことしといて今さらなんなの」みたいなことにはなりません。以上、ちょいと毒入りの補足でした)
このアニメでいちばん印象的だったセリフ。
パピカ「そうだよね、このままだと大変なことに……」
ヤヤカ「ちげーだろ! お前はそうじゃねーだろ!」
“2人で協力してココナを助けに行く”ことに、パピカは一応同意しています。
が、ここでヤヤカが一喝。“世界の危機を救う”とかのくっだらない理由ではなく、もっとずっと重要な“ココナが大大大好きだから迎えに行く”という目的を思い出させます。
この場面はしびれました。
ライバルがこういうこと言っちゃうのも、やっぱり王道展開ですね。
ロリガとどちらが面白いか、と聞かれると……どちらも甲乙つけがたいです。
文句なく面白い、最高のアニメでした。あえてケチをつけるとすれば、序盤でココナがメガネをかけなくなってしまう点。最後のアレの時くらいメガネかけてほしかった。似合うと思うんだけどなー。
で、なんと次に続いてしまうのです。