歌鳥のブログ『Title-Back』

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【ゲーム】エルミナージュ2

 台風来てて落ち着かないし、暑いしだるいしやるせないので、なんか書きます。
 長文です。ご注意ください。

エルミナージュ2 ~双生の女神と運命の大地~

 いわゆるウィザードリィタイプ(というかほぼパクリ)のRPGです。
 プレイヤーが自分でキャラクターを作り、自由にパーティを組んで冒険します。キャラを転職させつつ育てあげたり、宝箱を開けてレアアイテムを集めたり、まあ、そんな感じのゲームです。
 シリーズ最大の特色である“フェイスロード機能”を使うと、オリジナルの顔グラフィックも作れます。自作のキャラを活躍させたり、好みのアニメキャラでパーティを組んだりできます。繰り返し長く遊べる、非常にお得なゲームと言えます。

 と、それはそれとしまして。

 このエルミナージュ2、シナリオがおそろしく凝ってまして。
 かなりぶっちゃけて要約しますと、

ゲーム終盤で善悪の基準が逆転し、
プレイヤーが“悪”の存在となりつつ、
そのまま勢いでラスボスと戦い、
かつ大団円のハッピーエンドを迎える。

 という、おそろしい離れ業をやってのけているのです。

 ここまで凝ったストーリーを持つゲームは珍しいと思います。ストーリー構成だけで言えば、リトバスに匹敵する緻密さです。

 が、凝っている故に少々複雑でして。
 自分で理解する+思い出すために、ここに覚え書きをしたためておこうと思います。
 最近ぜんぜんプレイしていませんで。かなりの部分を記憶に頼っているので、細部が間違っているかもしれません。ご了承ください。ミスを発見された方はコメント欄とかでご指摘いただけると助かります。
 記憶があやふやな部分は攻略サイト http://spoiler.sakura.ne.jp/srv/el2/index.html で補っています。サイトを編集してくださった皆様に感謝します。
 それと、当然ネタバレ全開です。ご注意ください。












 さて。メインのストーリーはこんな感じです。


 ざっくり要約しますと――。

 舞台は女神フィオナの守護する世界フィーナス・ラーデ。
 人々が平和に暮らしていたこの世界に、突如危機が訪れます。太古の昔に葬り去られていたはずの“悪霊”ウルナが蘇り、フィオナに戦いを挑んできたのです。
 フィオナの死は世界の崩壊を意味します。絶体絶命のフィオナを救うべく、神官でもある女王ラグナスティアは“ウルナ討伐”を決意、冒険者に集結を呼びかけるのでした。

 で――ゲームの進め方によっては、このまま普通にウルナと戦い、倒して、普通にエンディングを迎えることもできます。
 が……いくつかのイベントをこなしていくと、この物語の裏が見えてきます。冒険者たちが戦いの末に見出した、この世界の真実は――。

 古の時代。“悪霊”ウルナは、実は他の世界を守護する女神でした。
 生命を生み出すことのできるウルナは、その力で数々の種族を育て、繁栄させました。生み出された者たちはウルナを讃え、敬い、時々一緒に飲んで騒いだりしながら楽しく暮らしていました。
 が、やがてこの世界に崩壊の危機が迫ります。
(このへん明言されていないのですが、どうやらより上位の神々が存在するらしく、この神々によって世界の寿命が決められているようです)
 ウルナは悩んだ末に、自らが犠牲となって民を救う決意をしました。民をまるっと別の世界へ移転させるのです。
 民は嘆き悲しみ、ウルナへの感謝を口にしながら、別世界へと旅立ってゆきました。ウルナは別世界を司る女神に民を託した後、崩壊する世界と運命を共にし、闇へと封印されました。

 この“別の世界”がフィーナス・ラーデ。ウルナが民を託した“もうひとりの女神”がフィオナです。
 フィオナには強大な力がありましたが、生命を作り出すことはできませんでした。フィオナはウルナから託された民に限りない愛情を注ぎ、自らの世界で繁栄させました。

 ――つまり、プレイヤーを含めたすべての住民は、ウルナによって生み出されたことになります。

 フィオナの守護の元、平和に暮らしていた人々は、いつしかウルナの存在を忘れてしまい、日々の感謝をフィオナへ捧げるようになりました。

 時は下って現代。
 魔族によって闇から蘇ったウルナは、現状を知って愕然とします。民は自分への恩をすっかり忘れ、別の女神にうつつを抜かしているのです。
 ――あの恩知らずどもめ、許さん!
 激怒したウルナは、魔族のそそのかしも加わって復讐を決意。裏切り者のフィオナを倒し、恩知らずの民を滅ぼすべく、戦いを開始します。

 こうして冒頭の物語につながるわけです……が。

 フィオナと直接意思を通じさせることのできる神官兼女王のラグナスティアは、上記のような事態をすべて把握していました。
 どうしてもウルナの怒りを鎮められない――と悟ったラグナスティアは、自らが恩知らずであることを承知の上で、民にウルナ討伐を命じたのでした。すべての苦悩を1人で抱えこんだまま……。

 女王からすべてを告白されたプレイヤーですが、それでもやっぱりどうしようもないので、ウルナ討伐に向かわなくてはなりません。
 ウルナに勝利するとエンドロールが流れ、ゲームはエンディングを迎えます。

 が……エンディングを過ぎてもまだゲームは継続できます。
 冒険を続けるプレイヤーは、なんやかんやでもうひとつの世界を発見し――倒したはずのウルナが生き延びて、傷を癒しているのを知ります。

 ここで「しつこい奴! ここまで追ってくるなんて!」と、怒り狂ったウルナとの再戦を果たすこともできるのですが――。
 これまた別のイベントをこなしていると、さらにまた別の真相を知ることができます。

 実はフィーナス・ラーデの人々は、ウルナのことを完全に忘れたわけではありませんでした。
 エルフの王家は、なんだかわからないながらも、ウルナの好むぶどう酒の製法を語り継いでいました。さらにオークたちは、なんの目的かさっぱりわからないまま、材料となるぶどうを黙々と育てていました。
 やがて来るかもしれない“特別な時”に、“特別な人”へと捧げるため、一部の民は延々と伝統を引き継いできたのです。

 プレイヤーにぶどう酒を手渡されたウルナは、この事実を知って感激。
 すでに魔族と決別していたウルナは、プレイヤーと和解……する前に、この新天地に巣食っている大魔公の討伐を依頼するのでした。

 やたらと強い大魔公をすべて倒すと、ウルナは機嫌を直し、プレイヤーと和解します。
 プレイヤーの報告を受けたラグナスティアは、歓喜と安堵の涙を流し、物語は大団円を迎えます。

 ――で、この大魔公は何度も復活し、さらにはもっと強力な神影などという敵も現れるので、この先もさらに継続してプレイ可能です。
 おまけに「すべてをリセットしてもう1度はじめからやり直す」システムも存在しまして……。いろんな意味で、何度も何度も繰り返しプレイできるゲームとなっています。

 以上、駆け足で書き綴ったつもりですが、それでもこのボリューム。
 とてつもなく凝った、練りに練られたストーリーを持つこのゲームですが……残念ながら、あまり話題に出ることがありませんで。
 もったいないので、ここに書き記す次第です。
 一応続編も出ているのですが、私はプレイしていません。これまた残念ながら、あまぞんさんで見る限り、非常に評判が悪く……。フェイスロードも強化されているので、一度はプレイしてみたいものですが、どうしましょうかね。