歌鳥のブログ『Title-Back』

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サイコロの真実 ――ミスターは本当にダメ人間か?――

 ちょっと恐ろしい真実に気づいてしまいました。

 あ。先に言い訳しておきますと、全ての可能性を調べあげて厳密に計算したわけではありません。だいたいこんな傾向があるなー、くらいのお話です。でも大外れはしていないと思います。

 水曜どうでしょうの名物企画『サイコロの旅』シリーズ。
 大ざっぱにご説明しますと。現在地から乗車可能な交通機関+行き先を6つピックアップ、サイコロの目にそれぞれを割り振ります。サイコロを振って、出た目の場所へ移動します。これを延々、ゴールである札幌に到着するまで繰り返す――というもの。
 シリーズ全6回を数える人気企画です。うち無事ゴールしたのは半分、残りはどこかの地方都市で時間切れ。しかも、たいていは日本の南か西方面、ゴールからはほど遠い場所です。
 サイコロを振る大泉さん、およびミスターこと鈴井さんの運の悪さが、番組内でたびたび話題にされます。特にミスターが九州や四国などの(ゴールの北海道から見て)辺境の地を当てることが多く、「ダメ人間」と罵倒されるシーンは番組の目玉のひとつです。

 が。
 お2人はそんなに運が悪いのでしょうか。ミスターは本当にダメ人間なのでしょうか。

 先日、久々にサイコロシリーズを見なおしていて、ふと気づきました。……というか、以前から薄々気づいていたことを、今回はっきりと認識しました。

 サイコロの神であるところの藤村ディレクター。彼がサイコロの目に割り振る、交通機関と行き先。
 ここに大きな問題があります。

 シリーズ当初より、九州や四国は「1度入るとなかなか抜け出せない、魔の地域である」という認識をされています(くどいようですが番組内だけです。現地の方ごめんなさい)。
 物理的に隔離された場所ですし、ゴールから遠い場所でもあるので、その認識そのものは間違っていません。
 そして前述したとおり、なぜか2人はこの九州と四国の目を出すことが多いのです。
 が、しかし。

 藤村Dがピックアップした目的地には、ほぼ毎回、この九州と四国が含まれています。
 しかも場合によっては、複数の交通機関を乗り継いでまで九州と四国の目を取り入れます(個人的にはこれルール違反だと思うんですけど、番組内では誰も異を唱えたりしません)。
「番組を盛り上げるため」と、当の本人も番組内で断言しています。
 その理屈はわからなくもありません。毎回都合のいい選択肢だけでは面白くありません。それはわかるのです、が。

 冷静になって考えてみましょう。
 サイコロの目は全部で6つ。うち1つが九州、残り1つが四国に割り振られるわけです。
 つまり3分の1の確率で、九州か四国、どちらかの目が出る計算になります。
 これを毎回毎回、ゴールするまで延々繰り返すわけです。

 そりゃ出るでしょ、九州四国。

 確率的には、3回に1回、強制的に僻地へ飛ばされます。
 しかもゴールの札幌の目は、毎回選択肢に登場するとは限りません。むしろ時刻表の関係で、選択肢にゴールが含まれないことの方が多いです。
 なかなかゴールできないのも当然なら、九州と四国に不思議と引き寄せられるのも当然です。
 いえ。3分の1の確率を考えると、むしろ2人はうまいこと九州四国を避けている方だとも考えられます。
 そんな状況で、たとえ半分でもゴールできたのは奇跡と言えるんじゃないでしょうか。

※本当なら、ちゃんと全選択肢を調べて確率を計算するべきなんでしょうが、いかんせん数が多いので……。ぶっちゃけ、めんどくさいです。すみません。

 で、さて。
 ここで疑問が生じてきます。この確率的な問題、出演者の4人は理解しているのでしょうか。
「勝機の少ない不利なゲームである」ことを、タレントのお2人は、そしてディレクター陣は――特に選択肢を決めている藤村Dは、わかってやっているのでしょうか。

 これは完全に想像ですが……恐らく、大泉さんはわかっていないでしょう。彼はいつでもいっぱいいっぱいですし、番組内で見せる数々のリアクションは本物です。
 そして、恐らく藤村Dも理解していないでしょう。
 毎回毎回、なんの下準備もなく、行き当たりばったりで行動する彼です。こんな小難しいこと、計算してやってるとは思えません。
 恐らく単純に、番組を盛り上げるためだけに選択肢を決めているのでしょう。それ以上のことは考えていないと思います。
 そして残りのお2人ですが……。この事実に気づきそうなのは、出演陣ではこのお2人だけです。
 が、ミスターにしろうれしーにしろ、気づいたところで黙っていそうです。
 ミスターあたりは、もしかすると本当はわかっているのかもしれません。が、大泉さんの名言どおり、ミスターは「黙って死んでいく」人です。気づいてもなにも言わず、黙って耐え続けるでしょう。例え「ダメ人間」の汚名を着せられても。
 うれしーは……もしかするとサイコロの企画が終わったと確信した頃に、ぼそっと「本当は不利なんだけどね」とか言い出しそうです。

 と、いうわけで。結論としては、

・タレントお2人は運が悪くはない。
・ミスターはダメ人間ではない。
・ぜんぶ藤村Dが悪い。

 ということになります。

 余談ですが……他のお3人はともかく、藤村Dとだけは一緒に旅をしたくありません。
 何も考えずに思いつきだけで行動し、失敗しても開き直る。もしくは、人のせいにする。たとえ自分が苦しむ羽目になっても、他人が苦しむ選択肢を選ぶ。そして、他人の苦しむ様を見て大笑いする。
 番組だから笑って見ていられますが、あんまり友達にはなりたくないタイプです。

 そもそも、私は「人をいじめて笑いをとる」タイプの番組は嫌いです。
 最近のバラエティってそんなんばっかりなので、私はほとんど見てません。どうでしょうを見続けていられるのは、
・大泉さんが(やられた分だけ、ではなくても)ちゃんと反撃する。
・仕組んだはずの藤村Dも、同じ分だけ酷い目にあっている。
 という2点によるところが大きいです。

 今のテレビでは貴重な、面白い番組です。
 が、藤村Dと個人的につきあいたいとは金輪際思いません。