【わたモテ】ゆり編:どうでもいいけどよくない友人関係。
前回が昨年の7月って……どんだけ怠けてるんだ俺。
『わたモテ』語り、4回めはゆりちゃん編です。
例によって致命的なネタバレは避ける方向ですが、コミックスでまとめて読みたい方はご注意ください。またリンク先にはネタバレ含む場合があります。
で、今回はゆりちゃん話なので、主人公の呼び方は「智子」とします。まあ本名ですが。
続きを読む【ここにいない由佳里】あけまして短編:お正月のリボン
あけまして短編『お正月のリボン』
たしか小1の冬だったと思う。舞のお兄さんが、私たちを近くの神社へ初詣に連れていってくれた。
鳥居の手前で、お兄さんは友達を見つけて離れていった。舞はちょっと寂しそうだったけど、私は3人だけでお参りできることに、ちょっとワクワクしていた。
「お年玉たくさんもらえますように」
「絵が上手になりますように」
「いいことがいっぱいありますように」
それぞれにお願いごとをした後、3人でおみくじを引いた。
【意味がわかると怖い話】見守る母
見守る母
とあるアパートの一室。テーブルを挟んで、娘と父親が向かい合っている。娘は高校の制服姿、手に卒業証書を収めた筒を握っている。
お父さん。今日の卒業式、来てくれてありがとう。仕事忙しいのに、大変だったでしょ。
男手ひとつで私を育ててくれたこと、本当に感謝してる。火傷のこととか、高1の事件の時とか、たくさん苦労かけたよね。ごめんね。
それでね……いい機会だから、話しておこうと思って。
私、お父さんに内緒にしてたことがあるんだ。
私、お母さんに会ったことがあるの。
一度だけじゃなく、何度も。
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引っ越しました。
えー、ただいま台風の真下だったりするのですが。
一応籠城の準備はしたし、幸運にも避難が必要な場所でもないし、他にできることもないし。いい機会なので、放置していたブログの移設作業を終わらせることにしました。
ということで、えー、はてなの皆様はじめまして。歌鳥と申します。
ヤフーブログ終了に伴って、こちらにお世話になることにしました。油断してたら旧ブログに書き込みできなくなっちゃって、あちらサイドでのお知らせができないままなのが心残りですが、まあお客様もほとんどいませんので……。
新たなブログのタイトルは『Title-Back』にしてみました。以前の『End-Title』に続いて映画つながり、プラス“タイトル”の洒落です。
映画のタイトルバックといえば、思い出すのはこれ。
"The Black Hole"-Opening Credits
私が映画に、そしてSFというものに目覚めるきっかけとなった作品です。そういやリメイクの話はどうなったんだでぃずにー。
えー、まあそれはともかく。
旧版とおなじく、こちらのブログでも映画とかアニメとか本とかの感想、および自作小説とかを掲載していきます。たぶん。
できれば小説を増やしていきたいものですが、どうなることやら。一応新作の準備はしていますので、少々お待ち下さい。
あと、中断しているわたモテの感想も再開しなきゃ。ああ、やるべきことが多いなあ。
ともあれ、今後とも何卒よしなに。
それと……どうぞ何事もありませんように。今日の台風だけじゃなく、今後とも引き続き。
【わたモテ】ネモ編:演じるのをやめた演技派少女。
【わたモテ】うっちー編:なんでぇ!? なんでこの子壊れちゃったの!!
「うっちー」こと内 笑美莉(うち えみり)さん。
主人公からは心の中で「絵文字」と呼ばれています。
(そういえば前回“序章”は序章すぎて主人公の名前すら書いてませんでした。主人公は黒木 智子(くろき ともこ)、ファンの間では中学時代のあだ名をとって「もこっち」と呼ばれています)
“絵文字”の由来は、そのシンプルな顔つきから。 (|_|) ←こんな感じの顔をしています。
もこっちとは2年生時に同じクラスになりました。それ以前からモブキャラとして登場はしていたのですが、物語に深く関わるようになるのは、すべてのターニングポイントとなった修学旅行のエピソードからです。
“はみ出し者”の集まりとしてもこっちと同じ班になったうっちー。が、実際には別の仲良しグループの一員でした。班の人数制限に引っかかってしまうため、仕方なくもこっちの班に来ただけなのです。
そんなわけで、旅行中は終始もこっちの班と別行動をとっていたうっちー。
が、最後の宿は2人部屋で、うっちーはもこっちと同室になりました。
その夜。もこっちは独自のゲス思考を炸裂させ、数々の奇行に走ります。もこっちの奇行を目の当たりにしたうっちーは、もこっちが
「自分を性的に狙っている、レズビアンのストーカーである」
と誤解してしまいます。
旅行を終えてからも、もこっちの奇行とうっちーの勘違いは続きます。うっちーはもこっちの視線に怯え、心の中で「キモいキモいキモい」と悲鳴をあげつつ、健気に学校生活を送るのでした。
と、ここまでのうっちーは完全に被害者です。
が……このあたり明確に描かれてはいないのですが、2人の関係は――というか、うっちーのもこっちに対する感情は――徐々に変化していったようです。
明確に描かれていないとはいえ、体育祭のエピソードから推測はできます。どうやらうっちーの内面では、
・あの女は私をストーカーしている!
(もこっちはレズではないですが中身オッサンなので、ジロジロ見ていたのは事実です)
↓
・でも他の女のこともジロジロ見ている!
(実際にはうっちーだけを狙っているわけではないので、当然他の女の子も見ます)
↓
・なぜ他の女を見る! なぜ私だけを見ない!!
と、そんな心境の変化があった模様です。
その結果、どうなったかといいますと――
うっちーは旅行のお土産やバレンタインのチョコを、もこっちに(直接ではなくこっそりと)渡すようになります。
加えて、もこっちが他の女子や男子と仲良くしているのを見ると、心で「キモいキモい」と罵倒しつつ、歯をむき出して悔しがります。
さらに3年のクラス替え時。もこっちと別のクラスになってしまったうっちーは「なんでぇ!?」と泣き叫びながら地面を転げ回るのでした。
クラスが別れてしまったうっちーですが、休み時間のたびにもこっちの教室を訪れ、物陰からもこっちの様子を伺うようになり――。
いつしかうっちーは
「もこっちをつけ狙うレズビアンのストーカー」
と化していたのです……。
私が最初に『わたモテ』に触れたのは、たぶん喪117「モテないし2年生の終わり」のあたりだと思います(このお話のうっちーもなかなか凄いのですが、ここでは省略)。以後は飛び飛びで、ツイッターで話題になると気になって読みに行く、くらいの頻度でした。
本格的に、ブックマークして更新のたびに読むようになったのは、喪140「モテないしオープンキャンパスに参加する」からです。
この回のうっちーがとにかく異常で。お話のメインはもこっちと加藤さんで、うっちーは完全に脇役なのですが、
・仲の良い友人グループから離れて、偶然出会ったもこっちに同行する
・心の中で「キモいキモい」を連発しつつ、キモい当人であるもこっちにべったり貼りつく
・最後には電車で寝たふりまでして、もこっちにもたれて匂いを嗅ぎまくる
とまあ、主役を完全に食ってしまうほどの奇行でした。完全に変態の所業です。
この子何なの? なんでこんなんなっちゃったの? と、気になって仕方ありませんでした。
そんなわけで、毎回更新を楽しみにするようになり、さらには過去にさかのぼって単行本を読み漁るようになったのです。
過去編、修学旅行のお話には戸惑いました。ここでほぼ初めて登場したうっちーが、あまりにも普通で……。現在の変態ぶりとは、まるで別人です。
恐ろしいのは、うっちーがなぜ豹変してしまったか、はっきりとは描かれていないところです。
↑に書いた経緯は、体育祭のエピソードから私が推測したに過ぎません。まあ大体合ってるとは思いますが、「これがこうしてああなった」と明確には語られていないのです。
――この「語らない」というのが、『わたモテ』の大きな特徴のひとつでして。
他のキャラのエピソードでも、この特色はたびたび登場します。
『わたモテ』は基本ギャグ漫画で、ラブコメではありません。
前回“百合ハーレム”という表現を使いましたが、もこっちと女の子たちとの関係は基本“友情”であって、恋愛感情は持っていません(たぶん)。
唯一の例外がうっちー。うっちーの抱えた感情はまぎれもなく恋愛のそれで、愛が深すぎるが故の変態行為なわけです。
そんなうっちーの愛情が、喪152「モテないし(・_・)と」で炸裂します。
球技大会。もこっちと同じく卓球競技で参加したうっちーは、勝ち進んでもこっちのクラスと対戦するのを楽しみにしていました。
が、その願いは叶わず。悲嘆したうっちーは友人相手に「なんで!?」と駄々をこね、グループとの間に亀裂が生じます。
もこっちを巻きこんで険悪なムードとなる友人グループ。もこっちは空気を読み、自分が悪役となることでグループの仲を修復しようとします。
うっちーに向けて、故意に冷たい言葉を投げつけるもこっち。それを真に受けたうっちーは、思わず涙ぐんでしまい――。
うっちーの秘めた(?)思いが、とうとう友人グループに知られてしまったのです。
この回はうっちーの恋心がメインで、他のお話とはちょっと雰囲気が違います。もこっちの気遣いや友人たちの優しさもあって、切なくもちょっと暖かいお話でした。
が、それだけにオチが強烈で。
本当に、拍手喝采モノでした。それでこそ『わたモテ』! と言いたくなるほどの。
この時の微妙な空気を引きずったまま、お話は現在の謹慎編に突入しています。
もこっちが不在でも、うっちーの奇行は相変わらず。もこっちがその気になって恋愛が成就する日まで、この変態ぶりは続くのでしょう。そんな日が来るとは思えませんが。
いや本当に、修学旅行では普通の女の子なんですよ。もこっちと関わったばっかりに、こんなことに……。
思いのほか長くなってしまいました。どーもすみません。
次回はネモについて語ります。こんなには長くならない予定です。ちょっと作戦があるので。
永遠の空間。
そして、ちょっと悲しいお話でもあります。
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毎月25日は、WEB版『スケッチブック』の更新日です……でした。
恐ろしく無口で極度の人見知りの女の子・梶原空。出かける時には常にスケッチブックを持ち歩く彼女ですが、様子見だけのつもりだった美術部に無理やり入部させられます。
個性豊か(というより変人揃い)な部員たちと、それに劣らぬ個性(変人ぶり)の顧問。そんな彼らに振り回されることなく、空はのほほんとマイペースに、絵を描いたり描かなかったりの日々を過ごすのでした。
去る6月25日、最後の更新がありました。
17年に渡る連載に、とうとうピリオドが打たれました。
私はアニメから入った人でして。アニメ版と原作とのギャップに最初は戸惑いましたが、連載が続くにつれてそれにも慣れました。
読み進むにつれて無駄に増えてゆく、虫や日本語の知識。涼風コントに代表されるシュールなギャグ。卓越した天然ボケを事あるごとに炸裂させ、わたわたと困惑する梶原さん。
お話ごとに様々なネタが繰り広げられ、どれもとっても魅力的です。
が、やっぱり。
私にとっていちばんの魅力は、梶原さんでした。
内容そのものと同じく、梶原さんの性格も、アニメと原作ではちょっとだけ違いがあります。おどおどと引っ込み思案のアニメ版梶原さんと、時折ちょっとだけ鬼畜な面も見せるドヤ顔の漫画版梶原さん。
やはり最初は戸惑いました。が、今ではどちらの梶原さんも大好きです。
二次元のキャラクターをこれほど好きになったのは初めてですし、多分これから先もないでしょう。
が……どこがそんなに好きなんだろう、と考えると。
まあ見た目がかわいいのは当然です。他には……えーと。
ボケっぷりも好きですし、猫好きなところも好きです。恐ろしく無口、かつ恐ろしく不器用なところも、ひとつのことに熱中しがちなところも。
言ってしまえば、全部好きです。嫌いなところはひとつもありません。
まあなんだ、「好きになるのに理由はない」って誰かも言ってたし、まあそんなもんですよね。
これで梶原さんともお別れか……と、寂しく思いつつ読んだ最終回。
なんというか、ちょっと安心しました。
『特別編』ってことで、いつもの4コマとは違う漫画でした。
が、中身はいつもの『スケッチブック』。
部員たちも、2人の顧問も、いつもどおりでした。そして梶原さんも、いつもの梶原さんで。
おまけの最後のページまでが、いつもの『スケッチブック』、いつもの美術部そのままでした。
ああ、この空間は永遠なんだ、と思いました。
たとえ連載が終わっても、彼らは今までどおり、いつもと同じ生活を続けていくのだろうな……と。
ただ“連載”という窓口が無くなっただけ。
我々読者とのつながりが切れてしまっただけで、物語は――梶原さんたちの生活は、今後もずっと続くのだろうな、と。
思えば、アニメ版の最終回も完璧なものでした。それはもう、我を忘れるほどに。
(当時の私の狂乱っぷりがこちら https://blogs.yahoo.co.jp/songbird_i/35458699.html です)
漫画版の『スケッチブック』の結末も、また完璧でした。アニメ版とはベクトルが真逆ですが、やはり完璧な終わりかたです。
奇跡って続くんだなあ、としみじみ感じました。
小箱とたん先生は新連載の準備を進められているようで。これもまた、ほっとする情報でした。
見た感じだとファンタジーっぽい雰囲気ですが……きっとこれもまたシュールなギャグ漫画なんだろうなー小箱先生のことだし。
寂しいのは確かですが、それと同じくらい楽しみです。